![]()

在タイ日本人副業のローカル体験ガイドの副業って何?
タイ在住の皆さん、最近どこかでこんな囁きを聞いたことはありませんか。
「副業で観光ガイドやろうぜ。ローカル体験を売れば1日で数万バーツ。ビザ? そんなの気にすんな、みんなやってる」――。
まるで屋台で「この串食べたら億万長者!」と売り込む呼び込みと同じノリです。笑うしかない。けれど、SNSやブログを覗けば、そんな“夢の副業”を真顔で語る記事がチラホラ。香ばしいどころか、焦げ臭い。
しかも発信者は決まって匿名。Xでは「知り合いの日本人ガイドが月50万バーツ稼いでる」なんて投稿が飛び交うけど、証拠はゼロ。ブログでは「単価は高いがリスクあり」とサラッと書きつつ、最後は「やってみたら?」と誘導。リスクは“注意事項”に格下げされ、責任は「自己判断」で丸投げ。捕まったら? もちろん「知らんがな」で逃げ切る気満々です。
裏話スレッドも同じ。出てくるのは「俺の友達が…」レベルの伝聞ばかり。誰も名乗り出ないのは、煽ってる本人たちが一番ビビってるから。安全圏から石を投げ、火傷するのは誘いに乗った人――これぞ皮肉の構図。
さて、現実に戻りましょう。タイの法律では観光ガイドは外国人にとって“禁止職種”の代表格。労働許可証なしでガイドをすれば、罰金5,000〜50,000バーツに強制送還、再入国禁止のフルコース。雇用主も罰金対象です。労働省の公式サイトに堂々と書かれているのに、「個人間ならセーフ」と信じる人がいるのだから驚きです。
しかも最近は労働大臣が「ハイシーズン前に摘発強化!」と息巻き、ツーリストポリスが観光地で待ち構える始末。ニュースでも「また違法ガイド逮捕」の見出しが踊り、SNSでも「空港で手錠体験」なんて笑えない話が飛び交っています。
“ローカル体験”を売りに副業を始めたつもりが、最後に味わうのは「強制送還」という究極のローカル体験。これ以上の皮肉はありません。
| 甘い誘惑のウソ | ビターな現実 |
|---|---|
| 「単価高いからすぐ回収!」 | 罰金で一発赤字、貯金吹き飛ぶ |
| 「ビザランで逃げ切れるよ」 | 再入国禁止でタイ生活終了 |
| 「知り合いのタイ人と組めばOK」 | タイ人も罰金、関係崩壊 |
| 「個人間ならバレねえ」 | ツーリストポリスがSNS監視中 |
なぜこんな罠にハマるのか。理由は単純です。 在住日本人の多くは、タイの“安楽生活”にすっかり慣れてしまっている。家賃1万バーツ、食事は1食50バーツで十分。そんな環境に浸かっていると、日本に帰国するなんて考えたくもない。だからこそ「ちょっと副業で小遣い稼ぎ」――その誘惑に手を伸ばしたくなるわけです。
ところが、合法ルートをすっ飛ばして「ローカル体験売ります」と名乗り出るのは、もはや自爆テロに近い。観光客に向かって「本物のタイを案内します!」と胸を張っても、最終的に案内される“本物”は牢屋の鉄格子。しかも被害者は観光客でもある。本当に言葉の通じているかどうか分からないガイドに振り回され、最後はぼったくり屋台に放り込まれる。
タイのイメージダウン、誰が責任を取るのか。もちろん、副業を煽った張本人は知らん顔です。
では、どうすればいいのか。答えはシンプル。リスクの低いカテゴリーで稼げばいい。
オンライン日本語レッスン、クラウドワークスでの日本向けフリーランス、YouTubeでのタイ生活発信――探せば“在住歓迎案件”はいくらでも転がっている。これなら摘発されるリスクは非常に低い。
それでも「どうしてもガイドがやりたい」というなら、労働許可が取れる職種にシフトすればいい。英語教師やIT関連など、ビザスポンサーを探せば道はある。けれど、多くの人は「そんな面倒は嫌だ」と言って不法ガイドに走る。人間の性(さが)とはいえ、苦い話です。
結局のところ、煽っている連中は安全圏から高みの見物。あなたが失敗すれば「ほらな、俺の言う通りだろ」と笑うだけ。黒幕は影に隠れたまま、永遠に特定されることはありません。
要注意!現地ガイド斡旋サイト
まず、ロコタビ(旧:トラベロコ)(locotabi)。
海外在住の日本人や、日本語ができるローカルが「観光案内、通訳、買い物同行」といったメニューを並べて登録している。直接マッチングだから料金交渉は自由自在、オーダーメイド感覚で柔軟対応――と聞けば、なんだか便利そうに見える。
サイトを覗けば「タイ在住日本人ガイド多数!」と大きくアピールしているが、よく読むと注意書きに小さく「ガイドの資格やビザは自己責任」と書かれているだけ。これぞ責任転嫁の極み。要するに「稼ぎたいなら勝手にどうぞ、捕まっても知りません」というスタンスです。
現実には、タイで有償ガイドをするなら労働許可は必須。無許可で登録して摘発されれば、待っているのは罰金と強制送還。けれど、プラットフォーム側は「うちはただの仲介ですから」と涼しい顔で逃げ切る気満々。
Xで関連情報を探しても「ロコタビ経由で逮捕された」という直接的な報告は見当たらない。ただし「リスクあるぞ」という警告ポストはチラホラ。つまり、火の手は見えなくても煙は立っている。“自由で柔軟な副業”の裏側には、「責任はあなた一人でどうぞ」という冷たい現実が潜んでいるわけです。
次、VELTRA(ベルトラ)。
日本発の大手ツアー予約サイトで、「日本語ガイド付きプランあります」と安心感を前面に押し出している。確かに仕組みはしっかりしていて、実際のガイドは現地の旅行会社を通じて手配され、メインで案内するのはタイ人のライセンス保持者。つまり、外国人――日本人を含め――が直接ガイドをするわけではない。
ところが、在住日本人が「サポート」という名目でツアーに混ざるケースがある。表向きは合法っぽく見えるが、もし個人の副業感覚でVELTRAを使って斡旋すれば、一気にグレーゾーンに突入。結局のところ、労働許可なしで有償ガイド行為をすれば罰金リスクは変わらない。「大手サイトだから安心」と思って飛び込んだら、最後に待っているのは“安心”ではなく“請求書”かもしれない。これもまた、観光業界の皮肉な現実です。
そして、個人ガイド紹介サイト(例:タイ自由旅行ドットコム)。
日本語で直接依頼できて、料金交渉も自由自在。オーダーメイドの“ローカル体験”が売り文句ですが、実はこれが一番危うい。
サイト運営側は「うちは紹介してるだけ」と責任回避のポーズを取りつつ、在住日本人がガイドとして登録しているのが実態。ところが、タイの法律では観光ガイドは外国人にとって代表的な“禁止職種”。つまり、労働省が目を光らせるハイシーズンに、こんなサイト経由で有償案内をすれば即アウトです。待っているのは罰金5,000〜50,000バーツに加え、強制送還というフルコース。しかも、雇用主にあたるサイト側も巻き添えを食う可能性がある。
「オーダーメイド体験」のはずが、最後に味わうのは“強制送還体験”。これ以上の皮肉はありません
最後に一言。タイの夜空の下でビール片手に「副業で一攫千金!」って夢見るのは自由だ。でも、朝起きたら手錠かもな。ローカル体験ガイド? いや、タイの司法体験ガイドだろ。はは、皮肉の味、苦えよな。捕まる前に目覚めろよ。次捕まるのお前かも。


コメント