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なぜ日本人が狙われるのか?タイの詐欺被害から学ぶ自衛策
親日的で観光地として人気のタイで、日本人を狙った詐欺被害が後を絶たない。在タイ日本国大使館も繰り返し注意喚起を発しており、旅行者から長期滞在者まで、誰もが「良きカモ」にされうる危険性をはらんでいる。なぜ日本人がターゲットにされやすいのか、その背景と巧妙化する手口、そして被害に遭わないための対策をまとめた。
日本人が「良きカモ」とされる理由
詐欺師たちが日本人を狙う背景には、いくつかの理由が指摘されている。
- 経済的に豊かだというイメージ: 日本人は一般的に経済力があると思われており、多額の現金を持ち歩いている、あるいはすぐに引き出せると見なされがちだ。
- 人を信じやすい国民性: 「性善説」にも通じる、相手をむやみに疑わない傾向が、詐欺師にとっては都合が良い。困っている人を助けようとする善意が悪用されるケースも少なくない。
- 断れない、強く出られない: 礼儀正しく、事を荒立てるのを好まない国民性が、強引な要求を断りきれない弱さにつながることがある。
- 言語の壁: 現地の言葉や英語でのコミュニケーションに不慣れな場合、相手の言うことを鵜呑みにしやすく、不審な点に気づきにくい。
こうした日本人の特性が、詐欺師にとって「騙しやすい相手」という認識につながっているのが現状だ。
被害が急増中!巧妙化する詐欺の手口
在タイ日本国大使館が特に注意を呼びかけているのが、「寸借詐欺」と「お金見せて詐欺」だ。これら以外にも、古典的なものから新しいものまで、様々な手口が存在する。
【急増】寸借詐欺
バンコクの日本人居住者が多いスクンビット地区(プロンポン、トンロー、エカマイなど)で、特に日本人男性を狙った被害が多発している。
- 手口: 台湾や香港からの旅行者を装った女性(または女装した男性)が、片言の日本語や英語で「財布やパスポートを失くして困っている」「帰国するための費用を貸してほしい」などと声をかけてくる。同情を誘い、ATMで現金を引き出させたり、口座に振り込ませたりする。
- 巧妙な点: 信用させるために、レントゲン技師など特定の職業を名乗ったり、LINEなどの連絡先を交換したり、偽りの通帳や口座残高を見せたりすることもある。一度お金を渡すと、「プロジェクトの費用がさらに必要」などと、繰り返し金銭を要求してくるケースも報告されている。
【頻発】お金見せて詐欺

こちらもバンコク都内を中心に被害が絶えない手口だ。
- 手口: 「ドバイから来た」などと名乗る中東系の人物が、「日本のお金を見たことがないから見せてほしい」などと声をかけてくる。財布からお札を見せると、巧みな話術で注意をそらしている間に、数枚抜き取ってしまうというもの。
- 被害場所: 観光地のワット・ポーやチャイナタウン、ショッピングセンター内など、人が多く集まる場所で声をかけられることが多い。
その他、注意すべき詐欺・ぼったくり
- 交通機関でのぼったくり:
- タクシー: メーターを使わずに高額な料金を請求する、「メーターが壊れている」と言う、わざと遠回りするなどの手口がある。
- トゥクトゥク: 「格安で観光案内する」と持ちかけ、質の悪い宝石店や土産物屋に無理やり連れて行き、高額な商品を買わせようとする。
- 観光地での詐欺:
- 王宮・寺院での「今日是閉館」詐欺: 「今日は王宮は閉まっている」などと嘘を言われ、別の観光地や宝石店に誘導される。
- ハトのエサやり詐欺: 無料だと言ってハトのエサを渡され、後から高額な代金を請求される。
- レンタル品のいちゃもん詐欺:
- パタヤやプーケットなどのビーチリゾートで、ジェットスキーなどをレンタルし、返却時に「傷をつけた」と因縁をつけられ、高額な修理代を請求される。
- ネット詐欺:
- SNSやネット掲示板を通じて、好条件の融資話や不動産投資、会員権の売買などを持ちかけ、保証金などの名目で金銭をだまし取る。日本人をターゲットにしたロマンス詐欺の事例も報告されている。
「良きカモ」から卒業するために。被害に遭わないための対策
タイでの滞在を安全で楽しいものにするためには、基本的な防犯意識を持つことが不可欠だ。
- 「知らない人にはついていかない、安易に信用しない」を徹底する:
- 親しげに日本語で話しかけられても、まずは警戒する。特に金銭が絡む話が出たら、詐欺を疑う。
- 「困っている」という話には、たとえ同情しても安易にお金を渡さない。本当に助けが必要な場合は、大使館や警察に相談するよう促す。
- 毅然とした態度で断る:
- 不要な誘いや要求には、はっきりと「ノー」と断る。曖昧な態度は、相手につけいる隙を与える。
- しつこい場合は、その場をすぐに立ち去る。
- 事前に情報を収集する:
- よくある詐欺の手口を事前に知っておくだけで、いざという時に冷静に対応できる。
- 在タイ日本国大使館のウェブサイトなどで、最新の注意喚起情報を確認する。
- 交通機関の利用は賢く:
- タクシーは、流しの車両を拾い、乗車前に必ず「メーターOK?」と確認する。配車アプリ「Grab」の利用も有効な手段だ。
- トゥクトゥクの甘い誘いには乗らない。利用する場合は、乗る前に必ず料金交渉をする。
- 貴重品の管理を徹底する:
- 多額の現金は持ち歩かない。財布を安易に人前で見せない。
- 人混みでは、バッグを体の前に抱えるなど、スリ対策を怠らない。
万が一、詐欺などの被害に遭ってしまった場合は、ツーリスト・ポリス(電話番号:1155)に連絡するか、在タイ日本国大使館に相談しよう。
タイの人々の多くは親切で友好的だが、一部に旅行者を狙った悪意のある人々がいることも事実だ。「自分は大丈夫」という過信は禁物。「海外では自分の身は自分で守る」という意識を常に持ち、毅然とした態度で行動することが、「良きカモ」から卒業するための第一歩となる。
タイの3つの都市が旅行者にとってスリや詐欺のリスクが高いワースト10都市にランクインしました。
※オーストラリアの旅行保険比較サイト「Compare the Market」が2025年10月に公表。
対象都市の詳細
- バンコク – カオサン通りやチャトゥチャック週末市場など観客客が密集するエリアで特に注意が必要
- パタヤ – ビーチリゾートエリアでの街頭詐欺、ナイトライフエリア周辺での被害多発
- プーケット – プーケットタウンやパトンビーチを含む観光スポット全体で警戒が必要
主な手口
- 複数人による注意散策を利用した窃盗
- タクシー・トゥクトゥクの不当請求や遠回り
- 架空のツアープランや宝石詐欺
- わざとスマートフォンを落とさせての賠償要求
予防対策
- 貴重品は分散して保管、防盗対策リュックサックの使用
- パスポートと現金・クレジットカードは別々に保管
- 価格は事前確認、過度に親切な人には警戒を
- 重要書類のコピーを別途保管
- 盗難補償を含む旅行保険への加入
現地を楽しむためにも、常に周囲への注意を怠らず、慎重な行動を心がけることが大切です。




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