タイから見た日本の姿

連載記事:既得権者ほど改革を語る——日本とタイの“守られた人たち” 第8回(最終回)

第8回 既得権を笑える人だけが、社会を少し外から見られる既得権という言葉は、便利である。とても便利である。なぜなら、自分以外の誰かを批判するときに使いやすいからだ。政治家、官僚、大企業、業界団体、古い組織、偉そうな年長者、声の大きい古参、情...
タイから見た日本の姿

連載記事:既得権者ほど改革を語る——日本とタイの“守られた人たち” 第7回

第7回 外国人社会にも既得権はある:在タイ日本人村の小さな椅子取りゲーム日本を出れば、日本のしがらみから自由になれる。そう思ってタイに来る日本人は少なくない。会社の序列。年功序列。肩書き社会。空気を読む文化。先輩後輩の上下関係。日本的な「ち...
タイから見た日本の姿

連載記事:既得権者ほど改革を語る——日本とタイの“守られた人たち” 第6回

第6回 既得権者は、なぜかいつも“改革”を語る改革という言葉は、実に便利である。聞こえがいい。前向きに見える。時代に合っている感じがする。責任感もあるように見える。「改革が必要です」こう言われると、たいていの人は反対しにくい。若い世代にもチ...
タイから見た日本の姿

連載記事:既得権者ほど改革を語る——日本とタイの“守られた人たち” 第5回

第5回 タイは“マイペンライ”と言いながら、なぜ階層は固いのかタイを語るとき、日本人がよく使う言葉がある。マイペンライ。大丈夫。気にしない。まあいいよ。仕方ない。何とかなる。場面によって意味は変わるが、日本人の多くはこの言葉に、タイのゆるさ...
タイから見た日本の姿

連載記事:既得権者ほど改革を語る——日本とタイの“守られた人たち” 第4回

第4回 日本は“平等”と言いながら、なぜ席順が決まっているのか日本人は、平等という言葉が好きである。少なくとも、表向きには好きである。みんな同じ。誰にでもチャンスがある。努力すれば報われる。能力で評価される。年齢や性別ではなく、実力で見まし...
タイから見た日本の姿

連載記事:既得権者ほど改革を語る——日本とタイの“守られた人たち” 第3回

第3回 タイの既得権は、なぜ“人間関係”の中で動くのか日本の既得権は、空気に隠れる。では、タイの既得権はどこに隠れるのか。答えは、人間関係である。ただし、日本人が考える「人脈」とは少し違う。名刺交換した相手、仕事で知り合った相手、飲み会で仲...
タイから見た日本の姿

連載記事:既得権者ほど改革を語る——日本とタイの“守られた人たち” 第2回

第2回 日本の既得権は、なぜ“空気”に隠れるのか日本の既得権は、あまり大声を出さない。ここが、ややこしい。誰かが机を叩いて「俺たちの権益を守れ」と叫ぶわけではない。そんな分かりやすい悪役は、現実にはそれほど多くない。むしろ日本の既得権は、も...
タイから見た日本の姿

連載記事:既得権者ほど改革を語る——日本とタイの“守られた人たち” 第1回

第1回 その改革、誰の椅子を守るためですか「改革が必要です」この言葉を聞くと、私は少し身構えてしまう。もちろん、改革そのものが悪いわけではない。古い制度を直す。無駄を減らす。若い人に機会を渡す。時代に合わないルールを変える。言葉だけ見れば、...
タイのインフラ問題

日本人は“インフラを信じすぎる”――タイで学んだ前提のズレ

タイ社会は壊れる前提、日本社会は壊れない前提。その差が生活を決めるよく「タイはインフラがまだ遅れている」なんてしたり顔で語る人がいるけれど、あれはちょっと的外れだと思うんです。遅れているんじゃない、そもそも「信用していない」だけ。1分の遅れ...
中国人留学生の実態

「個人の自由」が通用しない国からの留学生を、日本はどう扱うべきか

【警告】日本の大学は「お花畑」か? 善意という名の毒に侵された留学生ビジネスの末路バンコクの湿った夜風に吹かれながら、スクンビットの安酒場で薄いビールを啜っていると、ふと思うことがあるんです。この街には「偽物」が溢れているけれど、誰もそれを...
タイの日本人の行動

バンコクで壊れていく日本人の共通点

自由と優しさの国で、思考停止が始まる瞬間バンコクに住みはじめた日本人が“無敵の人”になる瞬間を、何度も見てきた。あれは、本人が気づかないまま静かに始まる。そして気づいたときには、もう手遅れになっている。日本で積み上げてきた常識や危機管理が、...
無許可営業の闇

タイの夜の街で、無許可クラブが堂々と営業できる理由

またぞろ、チョンブリーで無許可クラブが摘発されたって話だ。ニュースを見て「またか」と鼻で笑ったあんた、おめでとう。あんたは立派な「タイの裏側」の住人だ。逆に、驚いて正義感に燃えちまったおめでたい御仁がいるなら、悪いことは言わねえ、今のうちに...
タイの社会課題

バンコク0.67の絶望:「微笑みの国」が「子なしの国」へ変わる日

「微笑みの国」が「子なしの国」へ変わる日タイの少子化が深刻だという。ニュースでは「合計特殊出生率1.21」などと、いかにももっともらしい数字が踊っている。だが、統計というやつはビキニと同じだ。肝心なところを隠してやがる。この国を「タイ」とい...
タイから見た日本の姿

なぜ日本は「反戦平和護憲のお花畑ピクニック」を降りられないのか

日本の戦後平和教育には、ひとつ大きな弱点がある。戦争の悲惨さは教える。でも、戦争を防ぐ現実は教えない。ここで話が止まる。「戦争は怖い」「二度としてはいけない」「平和が大切」「憲法9条を守ろう」もちろん、間違ってはいない。そこだけ切り取れば、...
タイの社会課題

タイではなぜ建設事故は繰り返されるのか?

政府対応が「パフォーマンス」で終わってしまう理由バンコクで暮らしていると、建設現場の事故は、もはや「特別なニュース」というより、日常の延長にある出来事のように感じられる。2026年に入ってからも、重い事故が続いた。高速鉄道工事でのクレーン転...
バンコクという別の国

「タイは住みやすい」それってタイの住みやすいじゃなくてバンコクの住みやすさです。

「タイは住みやすい」なんて寝言、よくもまあ平然と吐けたものですね。SNSのキラキラした投稿の裏側で、この手のセリフを聞くたびに私の古びた胃袋はキュッと酸を出す。正確に言いなさい。「バンコクの、それも日本人が群れる極小エリアだけが、至れり尽く...